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白いアリスは彷徨う

第28章 帰還















隣の部屋を覗いてみた。



誰もいなかったので、ソッと石盤に近づく。
















怜「・・・お前は、私のいう事を聞いてね。」



石盤に座ると、石盤は黒く輝く。






怜「・・・お願い、一人にしないで・・っ!」










ポタリ、





               ポタリ。








涙が石盤に落ちる。
















地下1階、地下2階、地下3階と各フロアに一人ずつ吠舞羅のメンバーを構えさせている。









そんな中、多々良はただテクテクと中を歩いていた。




この地下のどこかにいると確信して。







地下10階に辿り着いた。



扉を開けてみると、そこには地下のはずなのに青い空、白い雲、緑の草原があった。


よく見れば、それは壁と天井、床であり、本物ではなく映像である事が分かる。





その真ん中で座っている人物が一人。








「・・・やぁ、俺の部屋にようこそ。多々良。」



多々良「・・・仁多、久しぶりだね。10年以上も会ってなかった。」





ニッコリとヘッドフォンを外しながら言ったのは仁多。

それに動揺する事もなく多々良は返事をした。







仁多「多々良が引き取られてからは会ってなかったもんね。」




仁多はまた寝転がった。


多々良は仁多に近づいていく。




多々良「仁多。俺、ずっと仁多を探してた。どうして仁多は見つからなかったの?」


仁多「俺が隠してたからさ。」



多々良と視線を合わせる事なく仁多はそう答える。




仁多「俺が、頼んだんだよ。俺を殺してくれってな。」

多々良「・・・何で・・。」



仁多「・・・人生に疲れた、からかな。」
多々良「・・・俺が引き取られてから、何があったの。」






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