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白いアリスは彷徨う

第24章 緑色
















怜「・・・お前はいい子だね。」





怜は石盤の上に直に座っていた。



石盤はわずかだが黒い光を帯びていた。






怜「私はお前に飲み込まれない。」











スッと襖が開いて、ウサギが入って来た。






ウサギ「怜お嬢様。」
怜「・・今日も来た?」
ウサギ「はい。しかし、このタワーにはいらっしゃらないと。」
怜「・・・毎日来るね。仕事してるのかしら。」





スクッと立ち上がり、怜は石盤の上から退いた。



すると石盤から発せられていた光は失せ、特別製ガラスで覆われた。





怜「・・・もういいや。めんどくさい。」
ウサギ「お嬢様?」
怜「はい。」




ポイッと渡された書類。








私、女王は
東京法務局 戸籍課 第四分室、改めセプター4室長であり第四王権者の宗像礼司に
ドレスデン石盤の所有権を譲渡する事をここに認める。
尚、御柱タワーの所有権は譲渡しないものとする。








ウサギ「!怜様!!」

怜「何。御柱タワーの所有権も渡せばいいわけ?」
ウサギ「御前は貴方様にと・・・!」
怜「譲渡しない限り、彼はきっと毎日ここへ来る。・・・ひこに仕事の量が増えるでしょうが。」








バキリと音がして、ウサギがハッと怜を見ると、



怜が手に持っていた万年筆は砕け散っていた。










怜「ひこに迷惑をかける様な奴は大嫌い。・・・ひこが寝れないのは、嫌。」


ウサギ「・・・かしこまりました。この書類は必ず宗像礼司に届けます。」




ウサギは一礼すると、部屋を出て行った。








怜「・・・ひこの傍にいれない私も、嫌い。」








耳元でキラリとイヤリングが光った。





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