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白いアリスは彷徨う

第22章 アリス








ある日、怜は石盤の部屋にいた。









多々良「・・・怜・・?」







この部屋は、普段なら怜は近寄らない。
多々良にあまりこの部屋に入り浸る事を進めないほどだ。










怜「・・・。」






怜は多々良の声に返事もせず、ただ石盤の上で座り込んでいる。




朝からずっとだ。











多々良「・・・もう、夕方なんだけどな・・。」








そろそろ来るだろうと思い、多々良は部屋に戻る。






























しばらくして部屋の襖が開かれる。








「・・・怜。」



猿比古だ。




猿比古「怜。」










ツカツカと怜に近寄る猿比古。



猿比古「怜。」





怜の肩にソッと触れると、怜はくるりとこちらを向いて猿比古にしがみつく。







怜「・・・御前、会ってくれなかった。」


猿比古「・・國常路の乗ってる飛行船まで行ったのか?」
怜「でも、会えなかった。」











猿比古「・・・お前はお前だ。怜は一人だけだ。」


怜「・・・ありがと。ひこ。」








ぎゅうっと猿比古に抱き付く怜。





気付けば怜はすやすやと眠っていた。



















猿比古「・・・俺、明日遅番なんで来れないです。」

多々良「気付いてた?」
猿比古「最初から。」
多々良「あーあ。ま、いっか。了解。頑張ってね。」
猿比古「・・・はい。」
多々良「へーきへーき。怜ならすぐに元通りになる。でしょ?」
猿比古「・・・そうですね。」







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