第6章 新しいワタシ
遠くからこちらに向かってくる音がする。
うーん。あれは、人じゃなくて吸血鬼だな。
援軍か。早く殺さないと優が、、
私は高いところに立って確認した。
距離は、2km先くらいか。
この時点で気付くべきだった。
2kmも先にいる吸血鬼に気付く自分を。
「とりあえず」
そういって、優たちの作る円の中心に立つ。
「そんな目で仲間を見るのか?私は嫌われたものだ」
「そんなことより、2km先から援軍が攻めてきている。私は、さっさとそいつらを殺してくるから」
私は、吸血鬼のいる方向へ飛ぶ。
1回でたどり着けなかったが、3回程度飛べば吸血鬼の前にたどり着いた。
「ふぅ…。1、2、3、って数えてたらキリがないね。ざっと、50体はいるのかな?まぁ、数なんて多くても少なくても意味ないけどね」
私は、槍を構える。ヌンチャクのように振り回したと思えば、
一振りして10体近く殺してしまう。
驚異的で脅威的な強さ。
「雑魚が」
そんな言葉を吐き捨てて、50体近くいた吸血鬼は5分も経たぬうちに全滅させていた。