第9章 これから
私の目の前にいる2人を恐る恐る見る。
ぐったりとする2人。
シノアの背中には大きな傷が出来てしまって、君月は傷は出来てしまったものの深い傷ではないようだった。
「みやび、、、」
君月の声だった。
幸い、意識はまだあったようだった。
私は駆け寄る。
必死に君月は何かを伝えようとする。
私はその言葉を理解したとき、何も言葉が出てこなくなった。
君月は「逃げろ」と必死に伝えていた。
必死に首を振る私を、君月は最後の力を振り絞って突き飛ばす。
けれどもヨハネはまだ生きている。
私の単独行動のせいで、、シノアと君月まで、、、
そう思うと、また冷静になれなくて、、
ゆっくりと近付いてくるヨハネは、まるでごみくずを踏むように、君月を踏み潰してこちらに向かってくる。
君月の苦しそうな声が聞こえたと思えばもう、君月はぐったりとしていた。