第9章 これから
「ゆ、優!!!」
三葉の声が聞こえ、振り向くとヨハネによって腹部に穴が空けられていた。
ヨハネは、優にかけよる三葉に与一を投げつけて三葉と与一は壁にぶつかる。
壁にぶつかった衝撃で死んでしまったのか、2人ともぐったりとしている。
そんな様子を見ながら唖然している私は、シノアと君月が2体のヨハネと戦っているということを忘れていた。
幸運にも、2人は無事、2体のヨハネを倒すことが出来たようだった。
もう、体力は残ってないように見える。
まだ、あと1体ヨハネは生きている。
与一と優と、三葉を殺したヨハネが。
私は、優たちが殺された悲しみで苦しみで悔しさで胸がいっぱいになり、冷静に考えることが出来なくなっていた。
涙を堪えながら、私は体制を整える前に、しかも1人でヨハネに向かって走った。
「みやび!!」
「みやびさん!」
君月とシノアの声が聞こえ、やばいと思った。
けれども、ヨハネの腕は私を切り裂こうと振りかざしていた。
吸血鬼になった私だったが、死を覚悟した。