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片羽天使と悪魔

第2章 確信的な質問


早朝の教室は好きだ。
ただひたすら、静寂に包まれたこの空間。

感傷に浸るには真冬の冷たい空気も、この静寂も、絶好にして不可欠な要素。

「……さん…」

思わずあの人の名前が口からこぼれてしまう。


ガララッ


誰かが来た。
もうみんなが登校して来始める時間だ。

瞳に僅かに溜まった涙をさっと拭い、無言で窓の外を見つめる。

そういえば昨日、変な奴に会ったなぁとか思い出しながら。

黒に薄っすらと紫が入ったような、なんとも言えない色をした羽を持った…変な奴。

あれは人間じゃないんだろうけど。一体、何だったんだろうと。

「もしかして…」

1つの可能性が浮かんだとき、先生が入ってきた。

「えー、今日は転校生を紹介する。入りなさい」

こんな時期に転校生なんて、一体どんな変人だ。

さほど興味はないけどとりあえず視線を送った。

はい。と返事をして教室に入ってきた人物を見て、我が目を疑った。

変"人"じゃなかった。
変な"奴"だった。

黒くて、サラサラの軽そうな髪。
スラリと伸びた背格好。

そして、みんなには見えていないであろう。
隠しているせいで半透明の羽。


「亜久斗です。よろしく」

しまった目が合った。
思いっきり私だけを見て自己紹介をし、ニヤリと笑っている。

慌てて目線をそらし、窓の外を見つめる。

「じゃあ、席は…一番後ろ。あそこだ」

窓の外を見ているから先生がどこを指差したかわからないけど、嫌な予感しかしない。

足音がどんどん近づき、通り過ぎた。

ガタンという音を鳴らしたのは




私のすぐ後ろだった。
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