My important place【D.Gray-man】
第49章 つむぎ星に願いを
(今でも…話せば、正直に応えてくれるかな…)
その心を知りたいと求めれば。
彼は飾らない言葉を向けてくれるだろうか。
それを期待するのに、同じに怖くもある。
「折角フレッドとジョージが設けてくれた部屋だし。神田と少し、話してみたら?」
「…うん」
どことなく小さくなる雪の返事に、ハーマイオニーの手がぽんと優しく肩を叩く。
「大丈夫、別に雑談だって構わないから。ジニーと朝食作って待ってるから、明日一緒に食べましょ」
「じゃああたし、パンケーキ作るね。うちで使ってるバターはハチミツ入りでとっても美味しいのよ」
「うん…ありがとう、二人共」
ハーマイオニーとジニーから伝わるそれは、ウィーズリー家そのものから感じる温かさと同じだった。
見えない絆で結ばれた、ひとつの家族。
雪が切望したものを持っているからこそ、染み入るものに顔が綻ぶ。
「それ聞いたら、明日がくるのが楽しみになった」
「ふふ。私も」
「あたしもっ明日は家の周りを案内するから、楽しみにしてて」
安らぐ空気感の中。
満面の笑顔のジニーの言葉に、はたと気付く。
元々ウィーズリー家に訪れたのは、それが目的だったことに。
(いけない。すっぽ抜けてた)
「ってことで明日はおチビさんの住み易そうな場所、見つけなきゃね」
「キュウ?」
「その為に此処に来たんだから」
ちょん、と雪の指先が尖った鼻先に触れる。
こてんと首を傾げる小さなもふもふとした黒い生き物は、なんとも愛らしくつい頬が緩んでしまう。
が。
「ね」
「……」
「…ね…(く、空気が重い…)」
話しかけているのは共にベッドに座っているニフラーだが、無言でも存在感を放つ隣のベッドに否応なしに気が向いてしまう。
無言で顔も背けているのに、こんなにも圧を感じてしまうのは、まるで神田と任務を共にし始めた頃のようだ。
風呂上がり。
さっぱりした身と心で挑んだ神田との二人部屋は、思った以上の難関だった。