My important place【D.Gray-man】
第44章 水魚の詩(うた)
「見つかるよッ外の警護班の人達が気付いたら…っ」
「あれは朝まで起きねぇだろ。完膚なきまでに潰してやった」
あいつらが起きない確信はある。
これでも伊達に9年もトレーニングは積んでない。
それに目覚めたって拘束してるから動けねぇだろうし、この分厚い牢獄の壁なら声だって外には漏れやしない。
…それに…鉄の扉を閉める際に、雪には見えないよう後ろ手で取っ手のレバーをへし曲げておいた。
例え扉の鍵があったとしても、へし曲げたレバーを元に戻せない限り、簡単には入って来れねぇよ。
雪のことだから立場が悪くなることはするなと怒るだろうし、黙っとく。
「完膚なきまでって…!暴力罪で訴えられるからね、いつかッ」
「じゃあ外の奴ら気遣って会いに来なけりゃよかったのかよ」
「っそ、れは…」
んなこと望んでねぇだろ、お前だって。
きゃんきゃんと子犬みたいに煩い雪を、いい加減黙らせる。
これじゃ先に進めやしねぇ。
「安心しろ、神経系を揺さぶって潰したんだ。お前が知らないフリしてりゃ、俺が来たことなんて夢か幻とでも思うだろ」
「ええー…なんてことを…」
それは俺の台詞だ。
"なんてことを"なんて言葉じゃ片付けられないくらい、ふざけたことされてんのは自分だろうが。