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愛儒妖怪 【R18】

第3章 古狸の企み


犬神の所の首無がやって来たのは意外な理由だった


・・・・____________



「妖怪が人間と交わった記録・・・・じゃと?」

「はい、古狸様の一族では過去に人間の娘を娶ったという話を聞いた事がございます。
その話を詳しくお聞かせ願いませんでしょうか?」

「・・・・ふむ、それは犬神が人間を娶ろうとしているという事かのぉ・・・」

「・・・いえまだそこまでは・・・」

「・・・風の噂ではつい先日、犬神の力が増幅したとか・・・」

「・・・・」

「その事とお前の話は関係があるのか・・・?」

「・・・」

「・・・すべてダンマリでは儂も答えられるものも答えられんぞ?」


「・・・・」

「まあ、いい・・・大体の事は想像がつく。
確かに我が一族で人間を娶った者がいた・・・
しかし、長くは続かなかった・・・妖怪が人間の生気を吸い尽くしてしまったからだ・・・
まあ、所詮人間と妖怪・・・バランスはとれなかろうて・・・」

「そうですか・・・」

「ただ・・・」

「ただ?」

「別の話も有る・・・」

「別の?」

「妖怪が人間を愛し、人間も妖怪を愛した・・・
2人は長らく一緒にいる事が出来たと聞く・・・」

「それでどうなったのですか?」

「人間が妖怪を取り込んだのだ・・・
何があったかはわからないが・・・」

「そうですか・・」

「役に手てずにすまんのぉ」

「いえ、御手を煩わせてすみませんでした」

「近々儂も犬神の元へ訪れよう・・・」

「伝えます・・」



首無が立ち去ると古狸は青大将を呼びつける


「お呼びですか?」

「面白い話を聞いた・・」

「犬神のところの人間ですか?」

「もしかしたら特別な娘かもしれん・・・伝承のな・・」

「例の伝承ですね・・・何百年か前に強大な力を得たと聞き及んでおります」

「そうだ・・・真偽を確かめて参れ」

「はっ・・・」



古狸はにやりと笑う

「もし伝承の娘ならば娶るのはこの儂じゃ・・・」


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