第12章 父と母の不在
トド松side
ト)んんっ…
まだ開かない目の間から眩い光が射し込む…
チカチカとする目と、心地いい温もり…んん?
ト)…アイ…にいさん…??
ノソノソと動きだしつつ周りをキョロキョロとしてみる、しかしアイ兄さんの姿はなかった…どうじに自分の体も綺麗にしてあるとこがわかる。
少し残念…
トントントン…扉の外から階段を登る音であろう音が聞こえる…誰かが登ってきたんだろーなぁ…なーんて事を思っているとガラリ…と扉が開く。
『あ、起きてたのか?体は大丈夫そうか?』
扉を開けたのはアイ兄さんだった、手にはガサガサと音をたてている袋…何か買ってきたようだ。
ト)ちょっと…痛いぐらいだから大丈夫だよ!何か買ってきたの?
『ん?あーこれな、軽く食いもん買ってきた』
そういい袋をガサガサするとゼリーやらプリンやらを買ってきていた。
『このプリントド松好きだっただろ?食べよーぜ。』
ト)わぁ…!これ高くてなかなか買えないんだよねぇ!アイ兄さんありがとう!
『おう!喜んでくれて嬉しいよ』
そういいながらベッドに腰かけてプリンを開ける…スプーンで掬い上げて此方に差し出す…
ト)あむっ…美味しい!
『ならよかったよ。ほらもう一口どうぞ?』
ト)わぁい!
アイ兄さんにアーンしてもらいながら至福の一時を感じていると…
十)何やってんの?
ト)うわぁ!?十四松兄さん!?いつの間にここに来たの!?
十)何やってるの?何やってるの?今日日スイーツ??
『プリンあげてんの、ゼリーとかもあるぜ。』
十)おおー…
そこにはいつの間にか十四松兄さんが僕とアイ兄さんの間に座っていた…あーあ…ここまでか…今からは十四松兄さんタイム…残念…
十)次は僕だよっ!僕!!
『そうなのか?…なら次は十四松だな…』
いやだなぁ…アイ兄さんが盗られちゃうの…
僕がしょんぼりしていると…
『また…あとでな?』
チュッ…とおでこに落とされた唇に僕は直ぐには反応出来なかった…バタンと閉められた扉を見ながら呆然としつつどうじにまたアイ兄さんを好きになっていく…。