第5章 婚約告白
そこにいたのは確かに幼馴染のまなくんだった。
ボーッと立っていた私の耳に
アナウンスの声が響く。
「成瀬グループ次期当主、学様。
前にお願い致します。」
前に誘導されたまなくんは、堂々とした演説を始める。
「私は成瀬グループの次期当主、成瀬学です。
今回、皆様にお集まりいただきましたのは、
私の婚約発表のためです。
私自身まだ14歳という年齢のため婚約は
まだ早いと考えているのですが、
我が社の発展のため、婚約することに致しました。」
ステージに立って話しているまなくんは、
なんだかいつもと雰囲気が違って、
少しドキッとしてしまった。
そして、ステージ上のまなくんが続ける。
「皆様が気になっているであろう婚約相手。
それは若宮グループ社長のご令嬢若宮詩織さんで す。」
え?
バッと視線が私に集まる。
焦った私は父を問いただした。