第20章 岩泉と及川

こんな人の下で働けるなら
どんなに幸せだろう。

私の大人の世界の見え方も
少しは違ったのかもしれない




……



そして、１２月になった。

月末には忘年会。


新入社員には避けては通れない道がある。

そのひとつがコレだといってもいい。


お酒も飲めない１９歳にとっては

めんどくさいったらありゃしない。

余興の練習に追われる日々
ほんの少し前まで着ていた制服をきて
王道の曲を練習する。

お笑い芸人さんや
シンガーソングライターに
出演依頼をして…

さぁ、

及川「期待してるよ。」

サラッと

表面だけ爽やかな
及川係長がそう言い残して
部屋を出ていく。


明日はその忘年会。


早く家に帰りたいけど
最終打ち合わせ。

上手くいったけど開放されたのは


２３時


岩泉「？まだ居たのか？」

『あ、はい。いまから帰ります…ふぁあ、、』