第1章 2人分の足跡(探索部隊)
さく さくり
空気の冷たさが鼻につたってまるで鼻はトナカイのよう
真っ赤なランプみたいに赤い
さく さく
首に巻いたマフラーをもっと口元に上げる
あまり意味をなしていないけど
さく さくり さく
「えいっ!」
と、声を出して両足で前に飛んだ
始めのいーっぽ!とでも言うかのように
さくっ!!
さっきよりも深い足跡になった
足をなるべく動かさないように、後ろをそっと振り返る
地面に生えた一面の霜柱の中に足跡が1つ、2つ、3つ、4つ・・・
見ていると何だか嬉しい気持ちになって
両手を合わせて、口元に持ってきて笑った
口端から漏れた息が白く色づく
「#NAME1#」
「あ、神田。何してるの?」
「それはこっちの台詞だ」
任務ほったらかして何遊んでやがる、と続けて小言が飛んできた
素直に探してたと言えばいいのに
「ほら、見て見て!」