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閑話休題?ーNARUTOー

第13章 何故だか自然と甘くなるー鬼鮫ー


「・・・笑ってますね?何ですか?」
一度口を離して鬼鮫が問う。
「・・・何でしょう」
離れた唇に寄って、唇を触れあわせながら牡蠣殻はまた笑った。
「熱がありますよ、干柿さん」
鬼鮫の口の輪郭を舌でなぞりながら、不思議な昂りを覚える。
確かめるように一度。なぞり合いながら二度。探り合う三度目。
背筋がそそけだって、座りの悪い怖気が走った。不快と快の狭間が揺らいで混じり合うに連れて、目が眩み、頭の中に渦が巻く。
「あぁ・・・・・・マズい・・」
若気の至りで経験したときより、冬の雨に誘われて肌を合わせたときより、感じ方が複雑で御しきれない。
「黙んなさい」
短く素っ気ない声にすら背筋がそそける。

これは・・・・怖い。

四度五度、数を追うことが出来なくなっていくのに気付くと、鬼鮫に横抱きにされて移動していた。
「はッ!な、何がどうしてこうなりました?ね、寝てましたか、私?」
「寝てませんよ。多分ね。ちゃんと応えてましたから」
自室のドアを開けて中に入りながら、鬼鮫が口角を上げている。下からそれを見上げて、牡蠣殻は笑った。
「・・・風邪ですよ、干柿さん?」
「そんな事はどうでもいい」
寝台へ共に横たわりながら重ねる鬼鮫の額が熱い。
「・・・自然な事でしょう?どうです?気に入りそうですか?」
牡蠣殻は情けない顔で鬼鮫の首に手を回した。
「マズいですよ。だんだん甘くなる・・・甘酒みたような?」
「フ」
牡蠣殻の上に覆い被さって、鬼鮫が得たりという顔をする。
「そう、自然と甘くなるんですよ。甘いのもいいでしょう?」
「・・・・こんな事してていいんですかねえ・・・貴方、熱がありますよ?」
「あなただって病み上がりでしょう」
「ああ・・・そうでしたねえ」
「それに今日はバレンタインです。甘くて悪い事はありませんよ」
「チョコは要らないと言ったのに」
「あなたを要らないと言った覚えはない。・・・・もう本当に黙んなさい」
「・・・・いいのかなあ・・・」
「牡蠣殻さん」
「・・・・はい」

Have a sweet ValentinesDay.


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