【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第13章 氷の国王と氷の貴公子
シュタインのダンスホールに足を踏み入れると、
煌びやかな灯りに包まれる。
(・・・綺麗。・・・・・・だけど、すごい人)
あまりの人の多さに
思わず顔をしかめると、
遠くにルイの姿が見えた。
いつもより
厳しい表情で対応している姿を見て、
人の輪に近づいていく。
アルバート「・・・・・・面倒なことになったな」
その途中で、
アルバートさんの呟きが耳に入った。
(・・・?)
ゼノ「どうかしたのか」
アルバートさんの後ろから
ゼノ様がやって来ると、
顔色がすっと変わる。
アルバート「・・・手違いで、今夜のために特別に用意したワインではないものがここに」
ゼノ「そうか、・・・仕方ない。ハワード、すまないが」
ルイ「・・・・・・?」
「・・・・・・」
(・・・このままじゃパーティーが進まない。ルイとゼノ様にとっても、大切なパーティーのはず。・・・何か、方法は・・・・・・)
賑やかだった場の空気が静まり返る中、
私は打開策を考えた。
その時、
ふっとルイと昨夜交わした会話を
思い出す。
ルイ「赤ワインが有名だけど、実はシュタインが誇るのはデザートワインなんだ」
「へえ・・・意外。デザートワインって確か、食後によく出てくるのでしょ?」
ルイ「そう。・・・けど、食前に飲んでもいいんだよ。正確なルールなんて、ないんだ」
「そうなんだ」
(・・・そうだ)
「・・・ゼノ様」
ゼノ「・・・?」
その場にいる人の視線を
一身に受けながら、
思い切って口を開く。
「シュタインでは、赤ワインよりもデザートワインが有名だとお聞きしました。そちらのワインを飲んでみたい・・・というのは、我儘でしょうか」
すると、
私の話を聞いていたルイが
ゼノ様に向き直り涼やかな声で問う。
ルイ「・・・我が国のプリンセスの所望を、叶えて頂けますか?」
(ルイ・・・)
少しの間を置いて
ゼノ様はふっと笑うと、
私たちを交互に見た。
ゼノ「すぐに用意させよう」
「ありがとうございます」