【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第10章 プリンセスと秘書
(・・・プリンセスとして周りに認めらるのは、嬉しいことだけど・・・・・・)
一瞬頭の中に浮かんだ面影を
掻き消して、
再び書類にペンを走らせ始めると、
レオが私の顔を覗き込んだ。
レオ「・・・実は、俺も零ちゃんにお願いがあるんだけど」
「お願い・・・?」
視線を上げると、
レオは一枚の書類を差し出す。
「これ・・・」
そこには、
ルイ=ハワードという名前が書かれている。
レオ「・・・ルイのところに届けてくれる?」
「いいけど・・・」
(自分で行った方が早いんじゃ・・・)
レオ「ごめん、急ぎなんだ」
「・・・わかった」
レオから書類を受け取って、
私は執務室を飛び出した。
(・・・レオ、絶対わざとだ)
廊下を走りながら、
心の中でレオを非難する。
最短距離を駆け抜けて、
書類を抱えたまま
ルイの部屋の扉をノックする。
そして、返事を待たずに扉を開けた。
「ルイ・・・っ・・・」
ルイ「・・・・・・?」
机に向かっていたルイが、
驚いた様子で視線を上げる。
「ごめん・・・、返事もなしに勝手に開けて」
勢いよく飛び込んでしまったことに
視線を伏せると、
柔らかい声が聞こえた。
ルイ「・・・感心しないけど、ノックでわかったから・・・いいよ」
「ノック・・・?」
ルイ「君のノックは独特だから・・・そうかなって」
「そう、かな」
ルイ「・・・うん」
ルイは小さく頷いて、
微かに視線を伏せた。
「あ・・・レオからこれを預かってきた」
ルイの机に近づいて、
抱えていた書類を差し出す。
ルイ「・・・ありがとう」
ルイは書類を受け取ると、
さっと目を通して
机の空いている場所に置いた。
「・・・じゃ、私行くから」
レオからの用事も済んで
踵を返して戻ろうとした時、
背中にルイの声が当たった。