【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第18章 境界線のその先に
「ル・・・イ・・・」
掠れる声で名前を呼ぶと、
ルイが小さく微笑んで言う。
ルイ「まだ、上を見てて」
「え・・・?」
顎に指先が触れて、
また、掠めるように唇が触れ合う。
「・・・っ・・・」
唇が離れると、
今度はルイが空を見上げた。
ルイ「・・・雨が上がって、よかった。君にキスする口実ができた」
「そんなの、なくても・・・」
ルイ「・・・知ってる」
ゆっくりと視線を私に向けたルイが、
柔らかく笑う。
微かに残る雨の匂いが、
風に乗って流れていく。
(・・・・・・知らなかった。誰かを好きになると・・・こんなに、胸があったかいんだ)
笑うルイの顔を見て、
胸が満たされていくのを感じる。
(・・・奇跡みたい・・・なんて言ったら、ルイは笑うかな)
そう思った瞬間指先がそっと絡められ、
見上げると
まるで現実だとでもいうように、
ルイが優しく微笑んだ。
手を繋いで、私たちは歩き出す。
――・・・見えない境界線を
越えるように・・・。
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