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ワールドトリガー【中・短編集】

第18章 勉強と我慢――荒船哲次


『ねぇ、荒船』

「………」

カリカリカリ…………

『ねぇー!あらふね!』

「……………」

カリカリカリカリッ

『あーらーふーねー!!』

ペキッ

「うっせぇ!!聞こえてるっつの!!」

『じゃあ最初から素直に返事すればいいでしょ!!』

「勉強してんだよ!邪魔すんな!!」

『…………むー………。…………もういいもん!カゲに会いに行くしっ!!』

「……………あ?おいこら待て」

『…………わっ!』

夏海は腕を強く引かれ気づくと荒船に抱き締められていた

「………誰が離れていいっつった?」

『…………邪魔すんなって言ったじゃん』

「……………あれは、黙って俺の側にいろって言ったんだよ、バカ」

『バカって何よ!バカって!!』

「うっせー、チビ。とにかく俺から離れんな」

『ほんっと素直じゃない!!私のこと大好きなくせに!!』

「あー!はいはい!大好きですよ!!つーか、自分で言ってんじゃねぇ!」

荒船は夏海に思いきりデコピンをする

『………いだっ!』

手で額を押さえていると手を掴まれ視界が真っ暗になった
何が起こったかわからないでいると、唇に何かが触れた
それは触れただけですぐに離れた
離れたと同時に視界が明るくなり、荒船を見るとニヤッと笑っていた

「これで我慢しろ。後でもっといいことしてやる」

『……………なっ……………!?』

口をパクパクさせている夏海の頭を優しく撫でると椅子に座り勉強を再開した

夏海はそのとなりに座り机に突っ伏すと頭を抱えた

(…………い、今のってキス………だよね!?
っていうか、もっといいことって何!?)

耳まで真っ赤にして一人悶えている夏海をみて荒船は声を出さずに笑っていた

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