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ワールドトリガー【中・短編集】

第15章 タバコ――諏訪洸太郎


ここは喫煙室

今いるのは諏訪隊隊長諏訪洸太郎、そして、朝霧夏海だ

「お前、タバコ嫌いじゃなかったか?」

諏訪のなかでは夏海はタバコ臭い!と喚いていたのが記憶にしっかりとのこっている

『いや、吸ってみるとよくってね。まあ、1日に一本吸えばいい方なんだけど』

「1日1本!?耐えらんねぇわ…………」

『今でもタバコの臭いは苦手だからね』

「何で吸ってんだよ!」

『だから、吸ってみたらよかったんだって!』

その時夏海が吸っていたタバコの火を消し、立ち上がってドアまで歩いていった

「もう行くのか?」

『何?寂しいの?』

「んなわけあるか!さっさといっちまえ!」

図星だと言うことを隠すためにわざと口調を荒くする

『はいはい。じゃーねー』

だが、夏海はそれに気づいたのか、笑って手をヒラヒラ振りながら出ていった

「…………1本か……………会えねぇじゃねーかよ………」

諏訪は密かに、いや、バレているかもしれないが夏海に好意を寄せていた

そのため、今日ここであったときはこれからも会えると思っていた
だが、1日1本吸えばいい方なら会える確率は低い

諏訪はがっくりと項垂れ、いつのまにか火が消えてしまったタバコを見つめ、そして、盛大にため息をついた

諏訪は居ても意味のない喫煙室を出た

「おー?どうした諏訪。柄にもなくえらく落ち込んでるな」

声のした方を見ると、東がいた

「東さん…………」

「どうした?何かあったか?」

「……………いや、別になんもねーんすけど…………」

「なるほど…………。朝霧のことか………」

「は!?東さん!?」

「違うのか?」

「いや、……………あってるけど…………」

「告白しないのか?」

「え!?

…………いや、東さん…………?

………なんつーか…………
どーしたんすか?」

「何が?」

「何でこんなこと…………」

「後輩が恋してるってのに応援しないわけにはいかないだろ?」

そういう東はどこか楽しそうだ

(この人、絶対楽しんでるな………)
「あいつ……………気付いてるんすよ。………多分………」

「ああ、気付いてるだろうな」

「………やっぱり、そうだよな」

ため息をつくと、肩に手を置かれた

「告白してこい!」




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