第13章 レポート――木崎レイジ
『……………すー…………すー…………』
「……………………」
「風間…………堪えろ………」
「木崎、お前はこいつに優しすぎる。夏海がこんなだから太刀川がだらける」
「ちょっ、風間さん!今俺頑張ってるって!」
「なら、その頑張りを普段からするんだな」
「……………うっ………はい………」
「はは…………風間も木崎も大変だな」
「すみません、東さん。こいつらが………」
「いや、大丈夫だ。気にするな」
そう言われた風間だがいい加減夏海を起こした方がいいだろう
こうなった原因は一時間ほど前…………
夏海と太刀川は忍田さんの前で正座をさせられていた
「慶!それに夏海!お前らはどうしていつも課題をやらないんだ!!」
『めんどくさいからでーす』
「……夏海さん。カッコイイ!」
悪びれた様子もなくそう言い放った夏海を太刀川は憧れの眼差しで見る
「………………っはぁー……風間、木崎」
「「はい」」
横で見ていた俺たちは名前を呼ばれ返事をした
「悪いがいつも通り面倒を見てやってくれ」
「………はい」
コンコンコン
「………失礼します」
そこに入ってきたのが東さんだった
東さんは座らされている夏海と太刀川を見るなり、苦笑して「俺も手伝う」と言って付き合ってくれることになった
こうして、三人の見張りをつけられ、課題に取り組む二人だったが少しして夏海は寝てしまった
そして、今に至る
「夏海………起きろ」
軽く夏海を揺すってみるが全く起きない
すると風間が本を掲げた
「おい、風間………落ち着け!」
「無理だ」
そういうと風間は夏海の頭に本を降り下ろした
ゴッ
『いった!!!何すんのよ!風間!!』
「寝てたお前が悪い」
「朝霧、さっさと終わらせた方がいいんじゃないか?もう少しだろ?」
『………東さんが言うなら………』
そういうと、さっきとうって変わって課題をやり始めた
「態度が違う………!!」
風間は夏海の態度の変わりように夏海を睨み付けた