第8章 自己紹介――時枝充
「とっきぃーーー!!夏海ちゃーーん!」
向こうからものすごい勢いで走ってくるのは、佐鳥賢
ああ見えても、実はあの嵐山隊の隊員と言うのだから驚きだ
「ちょっと!?夏海ちゃん俺の紹介ひどくない!?」
「ちょっと黙ってようね。賢」
そして、静かに佐鳥をなだめるのは時枝充
嵐山さんとのクロスファイアはA級の中でも有名だ
そして何より、落ち着きがある
ここが佐鳥との大きな違い
あと、もうひとつ付け加えるなら、周りがよく見えている、ということだ
「俺のことを良く紹介してくれてありがとう」
「俺とのこの差はなに!?」
『とっきーはいいところしかないもんね』
「無視!?」
「そんなこともないよ」
「とっきーまで!!」
『うるさい佐鳥』「うるさい賢」
「はい、すみません」
さて、次は私の自己紹介なのだが、どうしようか………
「じゃあ、俺がするよ」
『ん、よろしくとっきー!』
「名前は朝霧夏海。裏表がなくて男女ともに好かれている。ボーダー本部所属のアタッカー。太刀川さんたちにも認められているほどの実力。
そして………俺の好きな人」
『…………?ええっ!?
とっきーってわたしのこと好きだったの!?』
「あれ?気づいてなかった?」
「とっきーは結構ガンガンいってたよ?」
『うそ……………全然気がつかなかった………』
賢でさえ気づいていたのに気づけなかった自分が悔しい
「朝霧、返事は?」
『………しょうがないから、付き合ってあげる!』
「わっ!夏海ちゃんがツンデレ!!!」
『うっさい!!佐鳥!!』
「そういうところも可愛いよ」
とっきーはそういってわたしの頭を撫でた
『可愛いって言わないでよ……』
「俺の存在忘れないでー…………」
イチャイチャし出す二人を見て叫ぶ佐鳥だった
『うるさい佐鳥』「うるさい賢」
そして、また怒られるのだった