第7章 憧れ――嵐山准
嵐山が距離を詰めてくる
『あ、あの…………?』
私はさらにベンチの端っこに寄った
が、それも限りがあるため徐々に二人の間に距離はなくなっていく
「朝霧…………」
『///!?どうして私の名前……っ!?』
いつもより少し低く色っぽい声に鳥肌がたった
「ずっと見てたんだ。朝霧のこと………。大学でもボーダーでも……」
『えっ!?』
「一目惚れだった。でも、朝霧のことを知るたびにどんどん好きになっていったんだ。
朝霧………俺の彼女になってくれないか?」
『…………嵐山には私なんかじゃなくてもっとふさわしい人が………』
いる……そういいかけた言葉は嵐山によって遮られた
私の後頭部に手が回され、私の右手は嵐山の左手にギュッと握られていた
目の前には嵐山の整った顔があった
キスされている………そう実感するのに少し時間がかかった
唇が離れると、嵐山の顔は薄く赤色に染まっていた
「俺は………朝霧がいい」
『………わ、私なんかで良かったら………お願いします』
私がそう言った途端ガバッと抱き締められた
「好きだ」
『うん』
私も嵐山の背中に腕を回して抱き締めた
意外とその背中は大きくて男の人なんだと改めて思った
『私も………好きだよ』