第3章 地獄の練習

「ストレッチ終了～！三人はボール持って～。残りの人はボールを返すよ～！」立花先輩が言った。
「二人は、まず、ボール返す方に行って。」と高木先輩。
「「はい。」」と私たちは返事をして、コートに入った。立花先輩もこちらに来た。
向こうは、高木先輩、福原先輩、藤川先輩の三人。
こちらは、私とはる、立花先輩の三人。
ダン、ダダン、ダン、ダダン、ダン、ダダン
先輩たちが横一列に並び、ボールをバウンドさせる。
こちら側は散らばって構える。
高木先輩がボールを上に上げる。
パァン
無回転のボールが、ネットギリギリに入ってくる。
バン 立花先輩がコートに返した。 ダン
パァン
福原先輩の打ったサーブが、こちらの後ろ側に向かう。
バン はるがボールを返す。 ダン
パァン
次に藤川先輩のボールが、まるで狙い定めたように、私にまっすぐ向かって来た。
私は、足を踏みしめ、構え直す。
バン
硬いボールの感触が腕に走る。ボールは大きな弧を描いて、ネットを越し、コートの地面を打ち鳴らした。 ダン
よかった、返せた。
先輩たちのサーブはなかなかだ。早くも汗ばんだ手のひらをこすり合わせながら、私は思った。
あちら側から、ボールは次々に飛んでくる。私たち返す側も一つ一つ返
していく。
パァン、バン、パパァン、ダン、ババン、パァン、バン、ダダン、ダン