第8章 ゴメンネよりも、ありがとう。
めぐみside
いつもの忠の笑顔を見た途端、なんだか胸の奥が急にあたたかくなった。
やっぱり、忠は笑顔が一番だ。
…本当に、この笑顔が戻ってきてくれて良かった。
たとえ恋人にはなれなくても、大切な幼馴染みであることは、絶対に変わらない。
今回のことで、それがよくわかった。
蛍への気持ちも、
蛍の気持ちも、
よくわかった。/
「めぐみ、あのことは、言わなくてイイの…?」
「ん…?
あっ!!」
すっかり忘れてたっ!!!
ちゃんと忠にも言わないと!
「ん?どうしたの?あの話ってなに?めぐみ」
「あのねっ、忠…
よかったら、、、
これから3人で!
この家で!暮らしませんかっ!!」
よしっ!言えたっ!!
「……………」
やっぱり、イヤ……かな?
でも、せっかく日本に帰ってきたから、
ふたりと一緒に暮らしたい。
…蛍にはあらかじめ話しておいたけれど、
【私が、ふたりと一緒に居たいから】
ただそれだけの理由で、
そんな自分勝手な我が儘が、理由だから、、
だから反対されるか、また嫌みを言われるかと思っていたら、何故だか蛍は、あっさりOKしてくれた。
でも…
また忠につらい思いをさせてしまうかもしれない。
…忠は、もう私と一緒に暮らしたくないかもしれない。
だから、
本当は日本に来る前から、ずっと頭の中に選択肢としてはあったけれど、
忠が嫌なら、この案は、コレで無かったことにしよう。
不安な気持ちを隠すように、俯いてぎゅっと目を瞑っていたら、
優しい手に、私の両手が包まれた。
その人の体温が、両手を通して全身へと伝わってくる。
「俺も…
…めぐみと、ツッキーと、一緒に暮らしたいッ!!」
その大きな声に、思わず見開いた私の瞳が捉えたのは、
真剣そのものな忠の真っ直ぐな瞳だった。