第2章 私の彼氏は大王様【及川徹】
【及川】
「で、理由を聞こうか……」
「徹くんが……」
「オレが?」
「最近一緒に居てくれない……」
「は?」
「徹くんが最近冷たい」
ナニソレ……
「それで帰ろうと…」
コクリと頷く美咲。
「美咲は寂しいの?」
聞けば赤くなり目をそらされた。
「素直になりなよ」
「うるさい…」
そう言いながらも美咲はオレの胸に頭を置いた。
「はいはい…」
そういえば最近は美咲とこうして2人っきりってのもなかったな~…
そりゃ、彼女も寂しがる訳だ。
及川さん反省反省…
「んじゃ、着替えよっか」
「はっ?」
「部活戻るでしょ?美咲ちゃん」
「じ、自分でやりますから!徹くんは戻ってて!」
「え~…また逃げるつもりでしょ?」
「逃げません!」
「及川さんが着替えさせてあげる」
オレは美咲のブラウスのボタンに手を掛けた。
「はぁっ!!きゃー!!」
部室中に響く声。
外ではバタバタと足音が近づいてくる。
ガチャッ
「おい、どうした!?」
開けたのは岩ちゃんだった。
「「あ……」」
オレたちの姿を見るなり岩ちゃんは体をプルプル震えさせた。
「及川てめぇ……」
「岩ちゃん、これは…!オレは美咲を着替えさせてあげよーかなって」
「ハジメちゃん!徹くんがっ!」
あっ!美咲、裏切ったな!
さっきのデレは何だったの?
「及川~!」
「すいませーん!」
部室に残されたオレは岩ちゃんにこっぴどくしかられた。