第3章 膨らんでく想い

動きがとまった僕を不思議に思ったのか黄瀬くんが覗き込んできた。


「どうしたんスか？」

黄瀬くんに尋ねられたが答えられなかった。ただ、一点から目を離せなかった。
そんな僕に気づいたのか彼も僕と同じところに視線をうつした。


「？笠松先輩とさんがどうかしたんスか？」

「黄瀬くん、知り合いなんですか？」


「はいっス！あれ？聞いてないんスか？」


なんのことかさっぱりわからず僕は首を傾げた。


「さん、ここ来る前海常にいたんスよ。」

「そう…だったんですか。」


どうして教えてくれなかったんだろう。

そういえば転校前の話をすると悲しそうな顔をしていた。なにか関係しているのだろうか。


それが胸にひっかかった。


「あの……。」


「なんスか？」


「さんと笠松さんはどんな関係が？」




「あぁ！あれっスよ！元コイビト！」


「…………はっ？」


頭を思いっ切り殴られた気がした。























その後すぐに黄瀬くんは笠松さんに呼ばれて帰っていった。
もちろんさんも一緒に。


この気持ちに気づいてしまった僕は、そんな彼女らを見ていられず踵をかえして家へと駆け出した。























僕は彼女に恋をした。