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~囚われの姫君~【中世☆黒子のバスケ】

第3章 【第二章】(隙間)領主の想い


【紫原の想い】



紫原は、自分のトランクからお菓子を取りだし、もくもくと自室で食べていた。


『あーー、今日は、なぁんか大変だったなー。』


ポリポリと、じゃがいもが軽くフライされているスナック菓子を食べていると、不意に部屋の扉をノックされた。


「だぁーれーーぇ。」


しかし誰も部屋に入ってこない。


「…むぅ…、もうっ誰だよぉ…!」


大好きなおやつタイムを邪魔されて、頭に青筋をたてて、立ち上がる。
すると、扉が蹴破られ、廊下から5人の集団が現れた。


「陽泉の領主!お命頂きますっ!」


紫原は、刺客に剣を構えて囲まれてしまった。
しかし、紫原の関心は、5人の内の1人の足の下に向かう。
次に食べようと決めていたスナック菓子を踏みつけていた。
そう、それは紫原を怒らせるには十分な破壊力だった。


「…あーぁ、こんなにして………」


紫の瞳が細められ、見下される。


「ぜってぇ許さない…お前ら…捻り潰すよ…」


5人の刺客が、一瞬怯むが奮い立たせた殺気を紫原に向け、斬りかかる。しかし、紫原の大きな手に刺客の一人が頭を掴まれる。


「あっ!」

「…ほら、捕まえた。」


紫原が、殺気ある微笑みを浮かべ他の刺客を見下すが、


「ぅ……あぁーー!」

「だぁーかぁーらぁー!」


尚も斬りかかる刺客に、紫原は大声で唸りながら、掴んでいた刺客を振り回して4人の刺客に投げつける。
部屋の明かりは、紫原が刺客を振り回した風圧で消えてしまい、暗闇に包まれる。


「…うざい。…次は、本気で捻り潰す。」


5人の刺客は、暗闇の中に浮かぶ巨体を前にして恐怖におののき、ふらつきながら逃げていった。


「…………あーあ、部屋めちゃくちゃになっちゃった。…………ん…?」


月明かりが部屋を照らすと、荒れ果てた部屋がよく見えた。
「寝るとこどうしよう…」と思いながら頭を掻くと、床にメモを見つけ拾い上げる。



《陽泉の領主 次は美桜姫の命だ。姫の命を守りたければ、領地に退け》



紫原は、部屋を照らした月明かりはすぐに雲に阻まれ、又部屋を闇にする。
暗闇の中紫色の瞳をぎらつかせ、紫原はメモを潰した。



「………………」



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