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あなたの声が聞きたくて【another story】

第8章 国見英












状況がうまく理解できない。


言葉すらちゃんと纏まってくれない。


「おれ…まだ優さんの彼氏で居ていいんですか…?」


「私は英が彼氏でいて欲しいんだけど、いや?」


「嫌じゃない、です…っ。」


男の癖に泣きそうになるなんてどこまでガキっぽいんだ俺。春高予選の時ですら泣かなかったのに。


「あきら好きだよ。だいすき。」


背伸びで首に腕を回してそっと抱きしめてくれる優さんの肩に寄りかかる。


「不安にさせてごめんね。」


抱き締め返すと俺の腕の中にすっぽり収まって、守ってあげなきゃいけない存在だって思い知った。


優さん、俺まだまだガキだし、責任取れる歳でも無いし嫉妬だって沢山するし不安にもなるだろうけど


「優さんのこと、これから先もずっと好きです。いつになるか分からないけど、絶対迎えに行くんで、待ってて下さい。」


寒さで冷たくなった指先を優さんの頬に添え、プロポーズにも近い約束を



口付けとともに交わした。






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