• テキストサイズ

あなたの声が聞きたくて【another story】

第8章 国見英












先ほどとは逆に、今度は俺の方が戸惑いを隠せない。何が起こってんの?



「英がそんなに悩んでるって知らなくて…本当にごめんなさい。」


違う。
俺は優さんに謝らせたいわけじゃない


「ごめん…ごめんね…」



口を開いて、閉じて


無駄に酸素を消費するばかりで、俺の声帯は何も発してくれない。



罪悪感に溺れて窒息死しそうだ。







俺の方こそごめんなさい、なんて在り来りな言葉を口にして、暗くなった帰り道を鉛がくっついたみたいに重い足取りで歩いた。



優さんも俺も、あの後口を開くことはなかった。





ほんと俺ダッサ。







/ 194ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp