• テキストサイズ

【SS合同企画作品】 colorful days

第3章 体育祭


私は体育祭が嫌いだ。

運動音痴の私にとっては地獄の日だった。


ジャンケンで負けた私は200メートル走と借り物競争に出なくてはならない。


段々と近づいてくる自分の出る種目。
応援席でへこんでいると一際大きい声で応援している人が居た。

バレー部の西谷くんだった。
出る種目も応援も一生懸命な彼が羨ましく思えた。


はぁ、出番もうすぐだ。

私は応援席を後にした。


まずは200メートル走。

勿論運動音痴の私は足が遅い。
でもみんなの足は引っ張りたくないから頑張ろう。そう心には決めていた。


でも思いとは裏腹にどんどん差は離れていきしかも途中で派手に転んでしまった。


結果は勿論最下位。
応援席に戻る足取りも重くなる。


「早く体育祭終わってほしいな……」
つい本音が口に出てしまった。


「体育祭嫌いなのか?」
そんな声が聞こえ顔をあげると西谷くんが立っていた。


「私、運動音痴だから……」



「でもお前さっきコケても頑張って走ってたよな!最後まで本気で走って偉いじゃん!
諦めない気持ちが大事だかんな!
じゃあ応援よろしくな!」


こうやって励ましてくれたのは西谷くんが初めてだった。

私は西谷くんの言葉で次も頑張ろうと思えたんだ。



西谷くんはリレーのアンカーで
バトンが渡った時は3位だった。

一生懸命走る彼の姿はとても格好良く
私は必死に彼を応援していた。

西谷くんは見事トップでゴールテープを切り
私は近くに居た同じ組の人達と喜んだ。


次は借り物競争。

全力で頑張ろう、そう私は決めたんだ。


気合いだけでは足は速くならない。

でも私は諦めない!


手に取った借り物競争のお題。
パッと思いついたのが西谷くんだった。


ここで恥ずかしがってはダメ。

私は応援席に走り西谷くんを呼んだ。


周りに冷やかされながらも西谷くんは来てくれた。

「早く行こうぜ!」
そう言って手を差し出す西谷くん、
私はその手を取り走った。


結果は2位という私には信じられない結果だった。


「なぁ、お題なんだったんだ?」



「フフッ、秘密!」


お題は¨あなたのヒーローorヒロイン¨


だって貴方が今日一番輝いて見えたから。



/ 21ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp