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†D.gray-man† 追っかけ少女物語

第3章 ◆過去と今




パタン、と扉が閉まる音がして

コムイが去った後を確認すると



『はぁ…。』



先程の口早に話すサラとは打って変わり

一気に落胆するサラ。


ー…今回の任務はノアって言ってたな。

サラがノアに居た事と関係あるのか?

エクソシストのメンバーからしても

戦闘のためにただただ

頭数増やしてる風にも見えない…。


何か隠してやがんな、コムイのやつ。


きっと、考えてもその答えは出ないのであろう

思考回路を少し停止させて隣を見ると

未だ俯いた状態のサラ。



「サラ?」


声だけかけると



『なに?』

素早くニッコリと

切り替えの効く顔が俺を見据えた。



「サラも任務のこと考えてるんさ?」


少しだけ明るめのトーンで話し掛けると


『ちょっとだけ、ね。』


今回は素直に、困った笑顔で答えた。


ー…普通に受け答え出来んじゃん。

俺との会話には、いつも

パニックワールドに陥る姿を

見ているせいか、

サラの素を見られることに

俺は何処かで安心していた。


そして、


「今はなんも分かんねーんだし、

今からそんな気負いすんなさ。

明日休みだろ?気晴らしでもしよーぜ。」


俺のふとした提案に


『気晴らし?』


キラキラと表情を明るくさせるサラ。





ー…きっと、

俺には想像もつかないような

そんな人生で

この小さな体は気張って

生きてきたんだ。

少し捻くれるくらいで留まっている方が

奇跡に近いだろう。

物心がつく前とは言ってたが、

ノアの世界に身を置いて

他者の手によって各世界を渡ってるサラが

こうやって、ノア相手の任務のたびに

計り知れない感情を殺して

戦ってたんだと思うと

傍に居られずにはいられない。


過去は変えられないけど

今ならどんな方向にも変えられる。



俺に、そんな資格はねぇけど、

不意にサラを見守りたくなった。



傍観してるなら文句はねーだろ、じじぃ。


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