第46章 skirtred spring.
「あの…それで、…」
「ん?」
彼女がすがる様に岩泉の腕にもたれる。
「色々面倒くさい事になると思いますが、これからも…彼女でいて、良いですか?」
今にも泣き出しそうな悲哀の滲んだ目をして、ヒタとつむぎは岩泉を見た。
「バッ!カ!」
その額をビシッとデコピンする彼――。
「いにゃい…」
彼女は半泣きだ。
「ったり前だろ。云ったな。お前は俺の彼女だって」
岩泉に力強く云われ頷きながらもつむぎは不安そうだ。
「だって、わ、私は死んだことになるでしょうし、色々後処理とかっ」
「大体男と女が一緒にいるだけで面倒くさいんだよ」
「ひっ、ひどいっ!」
「でもお互い理解しようとする。面倒くさくても一緒にいるのが恋人だろが」
再びビシッと額をはねられつむぎは顔をしかめた。