第39章 放課後 Date.
「またな」
「はい…」
私はしょぼくれて暮れ泥む部室棟の入り口で立ち尽くす。
一先輩と一緒にいた及川先輩がこちらを何度か振り向いている。
でも、一先輩は振り向かない。
何云ってるかはわからないけど、啖呵を切ってるぽい語尾だけがかすかに耳に届く。
やばい、泣きそう…。
うぁ、涙、で、てきた…。
泣いたら涙袋ライナーにじんじゃうのに…。
「うっ、んっ、ひっ」
悲しい、と自認した途端涙腺ほーかいで涙がぼたぼたこぼれる。
とりあえずしくしくしていると、スッと横からハンカチが差し出された。
……?
それを目で追った私。
「何か…ゴメン」
一一見るつもりじゃなかったよ?
と続けて花巻先輩。
もう誰もいないと思っていたから私はちょっと驚いて。
同時に泣いてる所を見られて恥ずかしいという感情が頭に上がってきて顔が熱い。