第3章 花嫁のお仕事!
「村で八分にされながらお情けをもらって生きてる妾みたいなもんだよね」
部長に話を聞いていると及川先輩までやって来た。
妾って!
私か、私なのか?!
「おっと、及川、私のルチィアーノには触れさせないぞ」
部長がすごむ。
かっこいいです、ぶちょ、…ちょ、おま、何で私を押し出すんだ?!
「あの、及川先輩。何かご用ですか?」
私の後ろでルチィアーノちゃんをかばう部長に代わり、私か口を開く。
「いやぁ、二年が暴れてくれちゃって消耗が激しいもんだからさ、花嫁さんが癒やしてくれないかなぁー…って」
色っぽい流し目。
普通の女の子なら即答モノなんだろうが、私は男子より可憐ちゃんを愛する園芸部員なので苦笑いをした。
むしろ寒気がする。
又あの辱めが待っているのだ。
あの変な感覚を思い出すだけでむずがゆい気持ちになる。
勝手に顔に熱が上がってきた。
「今日は俺も飲ませてもらうから」
近付いてきた及川先輩が私のアゴを昨日みたいに撫でる。
うう、セクハラだよぉ。
笑って流す。
「いってらっしゃい、木原さん!」
ルチィアーノちゃんと及川先輩との接触を阻止する事に成功して満足げな石和部長。
部長に快く送り出され私は及川先輩に引きずられるようにして温室を出た。
可憐ちゃん、私頑張るよ!
あ、泣いてなんかないからね。