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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第5章 尽くすだけ



その日、運のいいことに私が会ったのは黛さんだけだったので、そのまま家に帰った。

黛さんも、今日のことはなかったことにしてやる。と言ってくれ、お言葉に甘えることにした。

…大丈夫。

一日気持ちを整理すれば、また明日からは普段通りに過ごせる。

でなければ、私は征十郎の側にいることはできなくなるのだから。


「わぁ。俺、このバナナのお菓子好きなんだよねー。カスミン、センスあるぅ」


ゴールデンウィークも明けた翌日。

昼休みに私は、征十郎、レオ姉、コタちゃん、永ちゃんと学食でお昼を取っていた。

私が買ってきたお土産を出すと、コタちゃんは目を輝かせて喜ぶ。


「んなちっせーお菓子より肉が良かったぜ」

「永吉!折角華澄ちゃんが買ってきてくれたのに、それはないでしょ?!ごめんね、華澄ちゃん」

「いいえ、気にしないでください。永ちゃんの好みを忘れてた私が悪いので」

「そんなことないわ。アタシもこのお菓子大好きよ。ありがとう」


レオ姉は嬉しそうにして箱の中からお菓子を取り出し、それを口へ運ぶ。

文句を言っていた永ちゃんも、何だかんだでそれを手に取っていた。


「それよりも、僕はここに静岡のお土産があることの方が気になるんだが」


お菓子には一切手を付けずに、私の目の前に座る征十郎は言う。

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