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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第17章 もうやめて




ボールを手にした伊月さんがシュートフォームに入ると、次は追いついたコタちゃんが後ろから跳んだ。

だが、ボールはゴールではなく真上へ。


「なっ…」


火神のアリウープ。

一体伊月さんは何手先まで読んでいるの?と感心するほどだ。

そのことに征十郎も小さく舌打ちした。


「いくら精神的にゆとりができたからって実力がひっくり返ったりはしないさ。俺はお前に敵わない。けど、止められるかどうかは別の話だ。お前が俺より賢くなくて良かったよ」

「…はい?てっ…!?」


スローインの際、伊月さんはどう考えても挑発と言える言葉をコタちゃんに並べる。

さらにはこれ以上ないプレッシャーをかけ、コタちゃんに怒りのボルテージは最高値へ。


「葉山早く!5秒!!」


ベンチからも声が上がる。

頭に血が上りきったコタちゃんは、5秒が迫ったこともあり、ボールを投げだすが、その先にいるのは黛さん。


「コタちゃん、ダメっ」

「なっ…」

「…あ」


今、黛さんにパスを出すべきではない。

何故なら、彼のマークはテツ君だから。

テツ君のスティールから誠凛は連続得点を決めた。


「ちょっと!何ボーっと…」


スローインをするためにボールを持ったレオ姉がコタちゃんに声を掛けた。

だが、コタちゃんの顔は険しいもの。

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