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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第16章 奇跡は起きない




「っうん、もうっ。やられたわぁ、最後の3P!」

「チッ、同点かよ」

「流石にやんねー誠凛!OFとかヤバいよっ!」


腑に落ちない第一クオーターの結果に、それぞれ声を漏らす。


「ですが、第一クオーターが同点で終わったのは、開始直後に火神がゾーンに入っていたことによるものです。他の選手のデータも取れましたし」


洛山のマネージャーとしての仕事を行うも、私の表情に感情はなかった。

私は洛山が勝つことを信じなければならないが、ハッキリ言えば、今はそんなことはない。

それでも、それを周りに悟られないように、淡々と話した。


「藍川の言う通りだ。想定を超えるほどではない。様子見はここまでだ。10番のゾーンも解けたし、選手個々の調子も藍川が把握した。第二クオーターはプラン通りで問題ない。いいな、赤司」

「…はい。誠凛の力はもう十分わかった。ここから先は蹂躙するのみだ。小太郎、永吉、玲央、点を取ってもらうぞ。ボールを回す。秀徳戦では、『鷹の目』の使い手がいたせいで使わなかったが…それほど視野の広くない『鷲の目』ならば使えるルートはある」


征十郎は全員を見渡しながら言った。

それに応えるように皆が頷き、黛さんはバッシュの紐を結び直した。

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