• テキストサイズ

青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第16章 奇跡は起きない




そして、思考めいていた火神も水戸部さんから優しく肩を叩かれたことによって、普段通りに戻った。

それはつまり、ゾーンを解いたということ。

解け方としてはとりあえず最良の方法だった。

その後の試合は一進一退。

どちらも譲らない…といった具合だ。


『誠凛、選手交代です』


ここで、テツ君の登場。

だけど…。


「出たー!誠凛の超六人目!」

「いけー!!」


その姿は『幻の六人目』というよりも、ただの一選手。


「おっと。屁が」

「なんで出るのよ、こんな時に!?…っと。ごめんなさいね」

「……。…いえ」


永ちゃんがおならをしたことはさておき、それを避けたレオ姉は背後のテツ君の存在に気づく。


誠凛は誰一人として、この事態に気づいていないの…?


洛山側の私は、今、誠凛に手を貸すような行為は一切許されない。

歯痒さを押し殺しながら、テツ君を見ていた。

その視界の片端から聞こえてくる会話。


「ねー赤司ー。火神のマークもっかい俺にやらせてよー」

「ゾーンは解けても荷はまだ重いぞ…できるのか?」

「やるっ!だって俺、試合開始からバコバコ抜かれてそれっきりだよ?やり返さなきゃ気が済まないっ」


誠凛ボールから再開された試合。

火神のマークは征十郎からコタちゃんに戻った。

/ 422ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp