第15章 洛山のマネージャー
昨日はなかなか寝付けずに、今朝も夢のせいで早くに目が覚めてしまい寝不足。
泣いた割に瞼は腫れていないが、目の下にはクマができていた。
「テツ君、お願いします……」
どうか、征十郎を助けてあげてください。
あの頃のように笑わせてあげてください。
*
いつものように制服の上から真っ白な洛山のジャージを羽織った。
最終決戦を前に、控室ではミーティング。
「…これから戦う誠凛ですが、新設校であることと今回が初の全国大会であることから、あまり情報が多いとは言えません。なので、第一クオーターは秀徳戦同様に様子見の方がいいかと思います」
私はノートを広げ、征十郎をはじめとする選手たちの前で話し始める。
これが、私の洛山のマネージャーとしての仕事。
「それと…11番の黒子テツヤについては、昨日のブザービートもありましたし…もはや影の薄さは無いに等しいと考えていいでしょう。更に5番の伊月俊の『鷲の目』は、視野が広いとは言え、秀徳の高尾君のものには劣るものです。黛さんの視線誘導も使えるはずです」
「だってー黛さん!良かったね!」
「うるさい」
決勝戦前だというのにこのやんわりした空気。