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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第13章 歯痒い…



その間にも、陽泉は点を重ねていく。

だが、それと同時に火神もどんどん調子を上げてゆき、ついにその時が来た。


「ゾーン…」


私は小さく呟いた。

ゾーンに入った彼は跳躍力もだが、その滞空時間も伸び、更にはあっくんのダンクすら止める。


「最早この勝負は決まったな」


征十郎の言う通りだ。

もう火神を止められる者は、陽泉にはいない。

ゾーンに入った者を止められるのは、ゾーンに入った者のみ。

その可能性があるのはあっくんと氷室さんだが、それはまず無理な話である。

ゾーンに必要な感情があっくんには欠落しているし、氷室さんは…こう言ってはアレだが、その資質がない。

試合は火神がエアウォークからダンクを決め、陽泉がタイムアウトを取っていた。


「まだ見るのか?」

「この後、海常対福田総合戦もあるでしょう?征十郎は先に帰ってもいいわよ」

「いや、華澄が残るのならば僕も残ろう」

「…そう」


征十郎はいつもと変わらない表情だ。

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