• テキストサイズ

青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第11章 夏の大三角形なのよ?



よくよく考えてみれば、バスケの名門の洛山で、わざわざマネージャーになりたいなんて思う男なんてそうそういないだろう。


「選手としてじゃないけど、初めてベンチに座った時は嬉しかったんだぜ?でも…最近思うんだ。もっと早く、藍川に出会ってれば…俺はまだ選手でいられたんじゃないか…って」

「……」


樋口先輩がどんな過程で、どの程度の怪我をしたのかはわからない。

だけど、私だったら…彼を選手に戻してあげることができたかもしれない。


「そう考えたら、黛はスゲーよな。諦めないで選手続けて、最後はそれが実を結んでさ」

「あの人も一度は辞めてますけどね」

「ハハッ、それもそうだな」


コートを走る黛さんに目を向ければ、ちょうどくしゃみをしていた。

そして、くしゃみの後は必ず「お前、噂しただろ」と私を見る。


「今更、こんなこと考えたってどうしようもねーんだけどな。だから、せめて…最後まで洛山のマネージャーとしてベンチにいたかったな…って言う本音」


そう言って、樋口先輩は私に笑いかける。


「…私なんかより、樋口先輩の方がベンチに座る資格はあると思います」

「は?」

「私は、今でも自分が何をしたらいいのか、わからなくなる時があるんです。洛山のマネージャーとして振舞うべきか、それとも、自分の目的を果たすために藍川華澄として行動すべきか…」


夏休み、修ちゃんと会った時に覚悟を決めた。

例え征十郎に嫌われようと、洛山にいられなくなろうとも、私は…昔の皆を、征十郎を取り戻す。

だから…征十郎には、負けてもらう。

/ 422ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp