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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第8章 我が儘か



と、その時。

背中に痛いほどの視線を感じた。

ゆっくりと振り返れば、案の定、征十郎が腕を組んでこちらを睨んでいる。


「(あ、やばい…ついこの間言われたばかりだったわ…)」


征十郎の機嫌を損ねてしまったことは明白であり、どう誤魔化そうか考えていると、レオ姉は私から離れ、征十郎に微笑みかけた。


「征ちゃん、ただいま。これお土産よ。だからそんなに睨まないで?」

「……。はやく練習に参加しろ」


少し考えるような表情を見せた後、征十郎はまたいつものように淡々と練習に戻って行った。


「あれ?赤司、機嫌悪いの?」

「すみません…」

「あ?藍川が原因か?勘弁してくれよな…」

「本当にすみません…」


その後、五将の三人も参加し、練習は通常通りで何事もなく終了した。


「華澄」

「!は、はい…」


片づけをしていると、後ろから突き刺すような声が私の名前を呼ぶ。


「ごめんなさい。もう二度とレオ姉たちとは馴れ合わないから…その…あの三人にペナルティを課すのは…」


つい先日、逆らうな、と言われたばかりであるにも関わらず、久しぶりの三人の姿に思わず忘れてしまったことによる失態。

今日の練習中も、あの三人に倍のメニューが課せられないか、冷や冷やしていたところだ。

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