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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第2章 聞いてないわ






征十郎に怒られた私は、大人しく帰ろうかとも思ったが、状況をいまだ把握できていないのと聞きたいことが山ほどあるのと、あとは一言文句を言わなければ気が済まない、ということで体育館の隅で見学していた。


「(流石は高校最強の洛山。練習のレベルも高いわね)」


練習を見ていて思ったことは、ただレベルが高い、ということ。

『キセキの世代』の彼らに比べれば見劣りはするが、全国から有名選手が集まっているだけのことはある。

淡々としているように見えて、一つ一つの動きが凄い、の一言に尽きる。


「藍川華澄ちゃん、だったかしら?」


練習の合間に私に声を掛けてきたのは実渕さん。


「はい。夜叉の実渕玲央さんですよね?」

「そうよ。ふふっ、こんな可愛い子に知っててもらえるなんて嬉しいわ」


中学時代に対戦したこともあり、彼のプレイは何度か見たことがある。

なんて滑らかで綺麗なシュート…と感じたのが印象的だった。

女の私が見とれるほどに顔もすっごく綺麗で、紳士的なイメージがあったのだが、まさかオカマだとは思っていなかったし、少なからずショックだ。


「華澄ちゃん、と呼んでもいいかしら?」

「ええ。好きなようにどうぞ」

「アタシのことも好きに呼んでいいわ」


それだけ言って実渕さんは練習に戻って行く。

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