第6章 青い空
ーーーーーぽちゃん。
水面に雫の零れる音がした。
目を覚ますと私は水の上に仰向けで浮かんでいた。
(あっ、また不思議空間。)
浮かぼうとしているわけではないのにふわふわと水の上に浮いている。あの真っ白な空間に似ているが少し違う。
今度は澄んだ青空のような色をした空間。
『あー、戻るのかなー。起きるのかな…』
そんな気がした。
『正直もっとキセキたちと絡んでみたかったなー。…現実にかえってもまたなんもない毎日に戻るだけだ……。』
その空間の中で目を閉じるとキセキたちの顔、楓という兄の顔が思い浮かんだ。
(ーーー楽しかったな。)
ちゃぷんーーーー。
そう思うと自分の身体が水面に沈んでいく。
(ーーえ。)
自分の身体が仰向けのままどんどん沈んでいく。
溺れる!!息出来ない!!私は慌てたが身体を動かすことが出来ない。
水の中では自分が吐いた空気が気泡となりブクブクとしている。
(ーーッ。)
ーーーーー。貴女なら大丈夫、きっとみんなと……な…………を…………ら………
薄れゆく意識の中、頭の中で声が響いた。
誰?と思ったが私の意識はフェードアウトした。