第4章 奇跡の出会い
ジリリリリリリリーーー
朝6時半
セットした携帯のアラームで目が覚める。
携帯は退院したあと新しく買ってもらった。
前に使っていたものは事故にあった際落とし自転車に轢かれ壊れてしまっていた。
新しくした携帯はメモリーのバックアップもないため何回か知らない番号かかってくるのが嫌だったため自分の番号も新しいものに変えてもらった。
目覚ましをとめると身体を起こし洗面所へと向かう。
若い身体は寝起きからシャキッと動ける。
夢の中だと思っている世界にも馴染み、何が夢で何が現実なのか境界線がぼやけてきている気がした。
鏡に向かい歯みがきをし顔を洗う。
ストレートアイロンで胸上まである髪を綺麗に伸ばすと化粧をしなくても十分可愛らしい少女がそこにいた。
自室に戻り制服に着替える。
中学生の制服にしては少しこっているなと思う水色のシャツに腕を通しスカートをはく。
胸元で紐をリボン結びにする。
全身鏡の前にたつと可愛らしい制服に身を包んだワタシがいた。
なんだか新しい洋服をきたときの高揚感がある。
るんるん気分でリビングに行くと兄が起きてきていて朝食の準備をしてくれていた。
ごはんにお味噌汁と目玉焼き。
豪華なリビングテーブルに似合わない実に家庭的なメニューであった。
「ごめん。目玉焼き少し焦げちった。」
兄がカウンターキッチンから申し訳なさそうにこちらを見るが少しの焦げくらいワタシはまったく気にならなかった。
「納豆も食べるなら出すよー?」
と冷蔵庫を開けながら尋ねてきたがそれは断った。
別に納豆が嫌いというわけではない。
むしろ好きだ。
だが今日から中学に行くという緊張感であまり食欲が湧かなかった。
目の前に座り兄が納豆をねばねばと混ぜていて美味しそうだなと思い見ていたらワタシの茶碗のごはんうえに少しだけ納豆をのせた。
「やっぱ食べたいんでしょ?わけっこな?」
そう言い残りの納豆を自分の茶碗にのせた。