第11章 帰還
『あーもうなんなん
先輩もナルもあたしが言うまで責めるやん』
「当たり前でしょ
あんたの事が心配なんだから」
降参。
私はこの人に口では絶対に敵いません。
『初校長の元におる』
「・・・・」
『あたしの再生のアリスで先輩の呪いを解かす為に側に置かれてる。で、今は初校長のスパイとして初等部へ潜入して蜜柑達と同級生ってわけ
すごいやろー!!』
--ぎゅうぅう
!!
「ごめんね・・・・」
さっきまでの凛々しい姿ではなく、泣いているのか?カスれる声が聞こえる
『え・・?なんで・・謝るん・・』
「あなたは巻き込みたくなかった」
『・・・・今更そんなん言わんといてよ
あたしは大丈夫。おかげで蜜柑の事を守れる立場におるねんで!先輩のその盗むアリス・・蜜柑に遺伝してる事を初校長は願っているから・・』
「・・ナル、あなたは知ってたの?」
「ちょっと前にね
転校生として処理されてるから、あの事件に関わった人達もが潜入時名前ってことは知らない人が多いと思う」
『誰にも知られたらあかんってことになってるから』
もう何人かにはバレてるけどー・・
「・・あなたも私達と来なさい」
『え・・!?』
抱きしめられていた手はぐっと私の肩に置かれる
すーっと透き通るような目でこちらを見てくる
「私達も逃げながらクローンを探している
一緒にここから出よう」
ここから出る・・
初校長に抑えられた日々からの脱出・・考えたことなかった
ふと、ナルの方を振り返った
とても寂しそうな目でこちらを向いている
そうか。私がここを出るということはもう、ナル、蜜柑、棗、ルカぴょん。蛍・・クラスのみんなにも会えなくなるのか
でも、あの悪魔のような手から逃れられる
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