第11章 帰還

『・・』


「子供達はどこに？」


「知らないわ
運が良ければ今頃、自力で学園に戻ってくるはず」


２人ともすごく冷静に・・久しぶりに会えたという喜びよりも、淡々と情報を言い合っている


「そう・・
じゃあちゃんと帰してくれたんだね
あの子達とも会ったんだね、どうだった？」


「・・生意気なクソガキだったわ
あたしを真っ向からにらみつけて、いやなくらい同じ目をしていた
あれがあたしの子」


『・・・・』


「あの時の子が、まさかアリスとして学園にいたとはね・・」


「あの子は先輩にそっくりだよ
まっすぐで何にもくじけない、あきらめない
ときどき僕にはまぶしくて・・でも目をそむける事ができないんだ」


『蜜柑は・・すごく思いやりがある子です
クラスの中でもムードメーカーで、たくさんの子達からの信頼を得ています
蜜柑は正真正銘、柚香先輩と行平先生の娘さん「育てたのは私じゃない」


『先輩・・』


「育てたのは私じゃないの。
あれから私にもいろいろあった。蜜柑と一緒に居る事ができたのはほんの少しの間だけ」


「でも蜜柑ちゃんは先輩の娘でしょ」


「・・・・」


「用件を言うよ
あなたが奪った子供達のアリス、それと僕から奪った一部も一緒に返してほしい」


え・・やっぱり犯人は柚香先輩やったん！？


『・・なんで先輩が委員長のアリス盗ったん・・？
クラス中、すごい騒ぎになって大変やったんやで・・？』




















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