第6章 東京遠征〜2〜 トラウマ
岩「いーから頼れっての」
そう言って背中を擦ってやる。
「いいから、部屋戻って寝なよ。明日もハードなんだから。ぶっ倒れるよ」
岩「はッ。そんなヤワな鍛え方してねぇよ」
「いいから!」
強情っ張り。甘え下手。
岩「お前落ち着いたらすぐ寝っから、今は黙って甘えとけ」
「甘えるとか、あり得ない」
頑固で。何もかも一人で抱え込んで。
岩「お前は及川そっくりだな」
「あいつに似てるとか死んでもごめんだね。あんな仮面男。」
岩「そうゆうところもそっくりだ。」
「絶望的だ。」
二人で小さく笑った。
岩「お前さ、もうちょい周りを頼ってもバチ当たんねぇと思うぞ?」
「、、、ダメなんだよ。」
岩「どうしてだ?」
「自分が大切だって思う人をつくると、その人が離れていった時、余計にツラくなる。周りに頼ることを覚えると、一人になった時何も出来なくなる。」
「捨てられたりしたら生きていけない」そう言ったこいつは、今にも壊れてしまいそうで、
思わず抱きしめてしまった。
岩「もう誰もお前を一人になんてしねぇよ。」
烏野の奴らだって、及川だって、俺だっている。
「あたしには分かるよ。みんなあたしから離れてく。」
どうしたらもっと人を、俺を、信じてくれるんだろうか。