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モノグラム

第6章 雨




 それから私は彼に連れられて

近くのレストランで食事をする事になった

山の中の店だが

少し高級感が漂っている落ち着いた店だった

こんな所も彼のセンスの良さを感じた



優しい明かりが灯されている中

私と彼は一言も話さなかった

ただ静かに出てくる食事を待っていたのだ



私の店に仲間と一緒に来た時とは

彼の表情は全く違っていた


ただ気まずい空気だけが流れ続けていたのだ



 そんな中、料理が運ばれて来る前に

彼にちゃんと話しておこうと決意した


「大倉さん....」


私の呼びかけに、彼は顔だけを向けて反応した


「あのぉ、もう会うのは終わりにして下さい」


私の言葉に彼は驚いた顔をした


大倉「なんで?」



私は、考えた

なんで何だろ?

なんでこんなに辛いんだろう?



「それは....」


大倉「それは?」


彼は、本意を聞こうと聞いてくる


「おかしいと思うんです」


大倉「何が?」


彼の言葉が少し冷たく聞こえる


「こうして会うのが....」


大倉「何でなん?」


「大倉さんの仕事を知ってますし」


大倉「あぁ.....」


彼は私が何を言いたいのか理解したようだった


「お礼は、もうして頂いたので....」


私は、その言葉と一緒に頭を下げた


大倉「俺とおるんは、そんなに嫌なん?」


彼は、ストレートに聞いてきた

私の顔も真剣になっていった



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